2024年6月14日(金) 16:20--17:50
理学研究棟 2階 201室
数川 大輔 氏 (九州大学)
ガウス空間の無限 \(l_p\) 直積とその応用
アブストラクト
正規分布を持つユークリッド空間をガウス空間という.ガウス空間の次元を無限大にしたとき,測度距離空間の列としてのある種の極限空間が存在し,これを無限次元ガウス空間という.無限次元ガウス空間は,もはや測度距離空間ではなく,ピラミッドと呼ばれる対象であるが,リーマン多様体列の同種の無限次元極限において重要な役割を担う.
本講演では,ユークリッドノルムを \(l_p\) ノルムに一般化したときのガウス空間の無限次元極限について考察する.適切なスケールの下で,\(p\) が \(2\) 以上のときは極限の存在は今や容易に分かるが,\(p\) が \(2\) 未満のときは状況が大きく異なる.我々は \(p\) が \(2\) 未満の場合の無限次元極限を決定し,それを \(l_p\) 直積空間の収束の相転移現象に応用する.
本講演は大分大学の江崎翔太氏,福岡大学の三石史人氏との共同研究に基づく.
横国大幾何トポロジーセミナー
Home