2024年5月31日(金) 16:20--17:50
理学研究棟 2階 201室
市原 一裕 氏 (日本大学)
双曲的2橋絡み目に沿った例外的デーン手術について
アブストラクト
いわゆるThurstonの双曲デーン手術定理とは、3次元多様体内の双曲的結び目(補空間が完備断面曲率-1かつ有限体積のリーマン計量を許容する結び目)に沿ったデーン手術では、
たかだか有限個の例外を除いて、双曲閉多様体を生成するというものである。
この有限個の例外は、例外的デーン手術と呼ばれ、結び目理論とも関連して、その分類問題などよく研究が進められている。
3次元球面内のよく知られた双曲的絡み目のクラスとして2橋絡み目がある。
双曲的2橋結び目(1成分絡み目)に沿った例外的デーン手術は Brittenham-Wu (2001) によって、
2成分双曲的2橋絡み目の1つの成分に沿った例外的デーン手術は講演者 (2012) によって、完全分類が与えられている。
この講演では、双曲的2橋絡み目の2つの成分に沿った例外的デーン手術について、得られた結果を紹介する(鄭仁大氏(近畿大学)、正井秀俊氏(武蔵野美術大学)との共同研究)。
研究の鍵となるのは、一つは絡み目補空間内の本質的分岐曲面の構成であり、もう一つは例外的デーン手術の計算機援用による判定である。
横国大幾何トポロジーセミナー
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