2024年1月26日(金) 16:20--17:50
理学研究棟 2階 201室
赤嶺 新太郎 氏 (日本大学)
ミンコフスキー空間内の時間的極小曲面に関する剛性と対称性について
アブストラクト
平均曲率を保ったまま等長変形が可能なBonnet曲面のうち,ユークリッド空間内の極小曲面は剛性「互いに等長な単連結極小曲面は一方が他方の同伴族に含まれる曲面と合同になる」という性質を持つことがSchwarzによって示されている.
一方で,曲面がローレンツ計量を持つ場合は,曲面上には臍点の他にも擬臍点と呼ばれる型作用素が対角化できないような特殊な点が発生すること,および等長変形以外にも誘導計量を−1倍する反等長変換が存在すること,といったように正定値計量を持つ場合とは様々な異なった状況が現れる.本講演では,ミンコフスキー空間内の時間的極小曲面と呼ばれるローレンツ計量を持つ曲面に対して,Schwarzの剛性定理と同様の事実が成り立つかどうかを考察する.
また,関連した話題として,上記の等長変形や反等長変形を含む各種の変形で時間的極小曲面の対称性がどのように保存されたり,移り変わっていくかを考察する.
本講演の内容はプレプリントarXiv:2305.04552の内容に基づく.
横国大幾何トポロジーセミナー
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