2018年12月14日(金) 16:30--18:00
環境情報1号棟 3階 314室
照屋 靖志 氏 (九州大学)
ウルフ図形の凸性とそのコンベックスインテグランドの可微分性について
アブストラクト
十分小さい結晶の平衡形は,その結晶の体積を一定にしたままでその非等方的表面エネルギーを最小にする形になる事が知られており,Wulff shapeと呼ばれる凸体と一致する.
例えばシャボン玉,塩の結晶の平衡形はそれぞれ,球面,立方体である.
塩の結晶のようにWulff shapeは常に滑らかとは限らず,角や真っ直ぐな線分,平らな面を持つ場合もある.
そこで,「どのような場合に Wulff shape は 線分や面を持つのであろうか?」という自然な問題に対して,
私は2017年の Han-Nishimura による,
Wulff shape の狭義凸性とその convex integrand(結晶のエネルギー密度)の C^1 級性の同値性の結果を参考にして,
その両者の関係を局所的な視点から考察し,
Wulff shape の 1 つの方向における ” face set ”とその convex integrand の 1 点での ” derivative direction ”を導入し,
それらの関係を各点で考えることで,Wulff shapeの凸性とそのconvex integrandの可微分性の局所的でより詳細な関係性を明らかにした.
さらに私の定理の系として,彼らの結果を導くことにも成功した.
本発表ではこれらの詳細について述べる.
横国大幾何学セミナー
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